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故郷を知ることは自分と向き合うことー原点回帰ー[鳥取県移住者インタビュー]

鳥取県移住者インタビュー。

 

「鳥取県の一番の魅力は人の温かさです」

 

そう話してくださったのは、旅行好きで海外約50カ国、国内は46都道府県を旅してこられた今田智子さん。

 

鳥取を離れたからこそ分かること、違う場所に身を置いたからこそ見えた故郷鳥取の良さ。地域おこし協力隊の任務を6月末に迎える今田さんが今、伝えたいこと、これまでの活動を通し得たもの、感じたことなどを伺ってきました。

 

この記事を書いた人
詩的な記憶

いろいろな方に出会えるこの仕事が好きです。山陰の素敵なお店、素敵な人や物などを広めていきたいです。鳥取県在住。

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Uターンしようと思ったきっかけ

 

今田さんは新卒で東京の会社に入社、海外駐在員としてアメリカで働く機会を得ます。そして様々な国の方々と接し多種多様な考え方に触れていく中で、生き方や働き方などについてこれまでの人生を見直すようになったそうです。

 

最初は海外の方々の自由さや奔放さに戸惑ったものの、いつしか働き方は自分で選べるのだと固定概念の枠に縛られない生き方を選択したいと考えるように。

 

外国の方々から日本の文化や歴史のことなど尋ねられる事も多い中、日本の良さ、文化などを伝えられなかった自分にもどかしさを感じたと同時に鳥取を恋しく思い始めた今田さん。

 

「東京に戻ってからも、ふとした折に脳裏に浮かんでくるのは、のどかで美しい田園風景だったんです。」

 

 

「子供の頃、毎日見てきた風景は決して当たり前のものではなく、空一面に広がる夕日も黄金色の稲穂も、旬の採れたての野菜も、田舎だからと敬遠していた町はここにしかない特別なものだったことに気付きました。」

 

そして今田さんは自分の故郷である南部町へ戻ることを決めたのです。

 

鳥取の魅力について

 

「鳥取の一番の魅力は人の温かさ」真っ直ぐな瞳でそう話してくださった今田さん。

 

 

キラキラした都会に憧れ、離れたはずの鳥取。Uターンで戻ってきた直後は生まれ育った町ながらその景色に改めて感動し、世界各国、国内様々な場所を旅し、美しい風景はたくさん見てきたはずなのに、自然が作り出すこの町の美に触れ、感銘を受けたそうです。

 

そしてその後、じわじわと心に沁みてきたのは周りの人々のほっとするような温かさ。

 

「都会にいた頃には、忘れていた人と人の繋がり、交わす会話の温度。戻ってきた自分を受け入れてくれる人なっつこさ。目まぐるしく変わっていく日々の中で、消えそうで忘れてしまいそうな大切なものがここにはまだ残ってるんですよね。」

 

「そして高齢者の方々が、生き生きと毎日を過ごされていることにとても感動しました。」

 

高齢の方々が朝早くから活動し、元気に畑や水田を守り過ごしている姿に、今田さんは背筋をピンと伸ばされる思いがしたそう。

 

「野菜に目をかけ、手をかけ…自分がやらんといけん!という思いは、高齢者の方々の生き甲斐となり、日々の励みとなっているように思います。」

 

大切に育てた野菜を収穫し、新鮮で美味しい旬のものを食べること。それはきっと高齢者の方々にとってなによりの元気の源となり、南部町をそして鳥取県を支えてくれているのです。

 

なんでもやってみ隊

 

2020年7月。地域おこし協力隊員として数年ぶりに南部町に戻り、暮らし始めた今田さんは自らを『なんでもやってみ隊』と名付け、様々な活動に参加してきました。

 

 

「わら細工で干支の置物作りに挑戦したり、専業農家のお手伝い、枝打ち体験、酒米の仕込みなど、興味を持ったことにどんどんチャレンジしました。」

 

 

好奇心旺盛な今田さんは、面白そう!やってみたい!自分の気持ちの赴くままになんでも挑戦。『今田さんの軸は何ですか」と問われることもあり悩んだこともあったそうですが

 

「自分が南部町の様々なことにチャレンジしている様子をSNS等で発信することで、南部町の楽しさや手仕事の面白さが多くの人たちに伝わればいいな。」

 

その思いこそが、いつしか今田さんの軸となり今日まで走ってこられたのだと私は感じました。そしてこれからもそんな風に、自分の身を通し伝え続けて行く人なのだと感じました。

 

写真から伝えたかったこと

 

「実は、地域おこし協力隊開始直後は南部町に来られた海外の人との懸け橋となるような活動ができたらいいなと思っていたんです。」

 

しかしコロナ渦となり国外はもとより国内でさえ交流が難しい状況に…。海外がとても遠い存在になってしまった事を今田さんはとても残念に感じたそうです。そこで、これまで旅してきた約50カ国の風景などの写真などを『イマタの世界あちこち展』と題し、地域の小学校や複合施設にて展示。

 

 

「今自分が出来ることは、南部町の子供たちに海外って楽しいんだよと伝えること。少しでも身近に感じてもらえたらいいですね。」

 

 

今田さんの出版物

 

そして、色鮮やかで美しい景色は外国だけではなく日本にもあり、こんなに身近な南部町にもあるんだよという思いから発案した企画『世界の風景に似ちょる南部町』。海外に似た風景を南部町で探すというとても楽しいもの。

 

「ドイツの城に似ている中学校⁉」

「ボツワナのカバにそっくりなミニブタさん⁉」

など、企画に寄せられた約50点の写真を一冊の本に。世界と南部町を対比させ紹介するという新しい視点で収録されています。

 

そしてもう一冊『人生迷える子羊』

 

こんなにも人生を謳歌しているように見える今田さんですが、「実は悩んでたんです…」と心の葛藤を写真と共に綴ったもの。

 

どちらも見応え、読み応えたっぷりです。

 

移住を考えている人たちへ

 

「もし移住を考えておられるのなら、最初は週末などを利用して気になる町のイベントに参加したり、移住フェアや移住者交流会を利用するなど、その地域の雰囲気などを知るのがいいかもしれません。」

 

鳥取県では移住される方を応援する支援制度があり、住まい、暮らし、仕事に関することなど、移住後の生活もサポートしてくれます。各市町村により内容は異なりますので詳細の方ご確認の上、検討されることをお勧めします。

 

今後の活動について

 

6月で地域おこし協力隊の満期を迎えられる今田さんの集大成として、

 

南部町の魅力を様々な視点から伝える写真展『おせの背xColor of Nanbu(仮)』2023年4月に開催予定です。

 

詳細は、南部町地域おこし協力隊の各種SNSで確認できます。→Facebook Instagram

 

 

原点回帰という言葉がありますが、今田さんが日本を知ることは故郷を知ること。そしてきっとそれは自分の原点を知ることにも繋がり、自分自身と向き合うことにも繋がっていたのです。

 

新たな分岐点に差し掛かった時、今田さんはどこを目指しどのような道を歩むのか…しかしどの道を選ばれたとしても南部町への思い、鳥取県への思いは今田さんの心に色濃く強く残り続けていくのでしょう。

 

今田さんの移住スケジュール

2016年  大手総合電機メーカー勤務中、アメリカ在住の機会を得る

2019年  駐在期間終了後東京勤務へ戻る。地域活動への興味が強くなり、鳥取に戻りたいという思いが高まる

2020年5月 地元鳥取県南部町にUターン

2020年7月 南部町地域おこし協力隊として活動開始

世界50カ国を旅した写真を学校や地域で展示。授業やお話会を行う

なんでもやってみ隊として町内の農作業や手仕事を体験、SNS等で発信(~現在)

 

とっとり移住定住ポータルサイト 鳥取来楽暮(とっとりコラボ)

移住を検討している方や、鳥取に帰りたい方などに向けて、移住について書かれたサイトが「とっとり移住定住ポータルサイト 鳥取来楽暮」です。

 

鳥取の魅力、県内の場所について、移住の流れ、仕事住まい、支援制度、相談窓口、移住イベント情報など、移住のことならなんでも載っているサイトです。

 

サイトにはたくさんイベントが掲載されています。

 

定期的にさまざまなイベントが開催されているので、気軽に参加してみてください。

 

ホームページアドレスはこちら→ https://furusato.tori-info.co.jp/iju/

 

(データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。変更ある場合がありますので参考程度にお願いします。)

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