「宝仏山」古くからの信仰の山。名前も縁起がいいかんじ?
古くから信仰の山として知られている「宝仏山」。山頂からは大山も大きく見え、四方の山なみも眺望できます。
根雨の街中に登山道の入り口があり、公共交通機関を利用してもアクセスしやすい山です。また、今回は金持神社近くの朝刈渓谷からのルートも合わせて紹介します。
この記事は、鳥取マガジン田中(ブログ:さまよえない田中)が書いています。
宝仏山 場所・アクセス
いちおう地図を貼ってみました。地形図か航空写真のほうが山をイメージしやすいとは思います。
根雨からの宝仏山へのルート
一般的なのは根雨の街中からのルートだと思います。
JR伯備線根雨駅から登山道入口の日野町歴史民俗資料館までは、400メートルほどで到着します。根雨の街中、旧出雲街道を進み、「あいきょう」という小さな商店のところを曲がります。
日野町歴史民俗資料館正面。ここに登山届がありますので記入していきましょう。
根雨の標高が約200mで宝仏山山頂は1005m。標高差は約800mあります。距離は約3㎞ほどですが、案内にある標準タイムは登り2時間半、下りは1時間半ほどです。※時間はあくまで目安にしてください。個人のコンディションに合わせて無理なく登りましょう。
資料館右手にまわり登山道に入ります。さっそく「熊の目撃情報のためじゅうぶんな登山道整備ができていません」という案内がありましたが、山開きの日が近かったためか山頂までの道は十分整備されていました。※例年山開きは4月29日に行われます。
一度作業道に出ますが、案内に従って上の道へ。道中は案内看板や木に巻かれた赤いテープがところどころにありますので迷うことはないと思います。
まずは木漏れ日の差すスギ林の中を進みます。
標高400mほどの小平(こなる)。平らなことを「なるい」といいますが、少しなだらかなところです。
さらに登ったところには大平(おおなる)というところもあります。大平を過ぎるとあとはひたすら登り坂です。
山頂が近づくと勾配も急になります。ヒノキの林からクヌギやブナの林に変わるともう少しです。
国土地理院の三角点。ここからは尾根上を進みます。
狭いですが、大きな岩の間を通り抜けます。
山頂は笹の葉が刈りはらわれて見晴らしがよいです。
霞がかっていましたが、大山も大きく見えます。東には毛無山、南西方向には、奥日野の山なみも一望できます。
宝仏山 朝刈渓谷ルート
こちらから登る人はあまり多くはないかもしれませんが、こちらの道も山頂まで笹が刈られて整備されていました。ただ、根雨の駅からだと国道を4㎞ほど歩くことになりますので、大変です。
根雨の街から国道180号線を進み、金持神社を過ぎて少し進んだところにある橋を渡った先を左折して山のほうへ入ります。以前紹介した「金持景藤の墓」の手前を曲がります。
曲がるとさっそく熊に注意の看板があります。このあたりは熊の目撃情報がある場所なので、山に入る人は熊鈴やラジオなど対策を用意されていったほうが無難かもしれません。
2㎞ほど進んだところの分岐を直進して未舗装の道に入ります。この先も車が通れる幅の道が続いていますが、未舗装で凸凹があり、両脇から伸びてくる草や木もあるので、それなりの車で行かれたほうがよいと思います。※このあたりの判断は自己責任でお願いします。
先ほどの分岐から少し行くと、落差のある立派な滝があります。ちょっと名前はわからないのですが、日野町では滝山神社の龍王滝の次くらいに落差のある滝だと思います。
朝刈渓谷沿いの道は涼しくて水音も気持ちがよいです。
ここで渓谷から離れて、左に進みます。あちこちに熊に注意の看板があります。国道からここまで3.4㎞という看板があります。
車が入れる最終地点です。いちおう車をまわすことのできるスペースはあります。国道からここまでは、5.8㎞。山頂まではもう少しです。
足元の道はわかりにくいですが、木に巻かれた赤いテープに従ってスギ林の中を登っていきます。
スギの林を抜けると落葉樹のなかの笹のなかのみちを行きます。笹が刈られていたので藪漕ぎなどせずに登ることができました。
「ごうぎんすぎの子会」のかたなどが登山道を整備してくださっているようです。
根雨からのルートと同じ山頂につきます。山頂付近の看板によると朝刈渓谷ルートは国道まで6.2㎞となっていました。
朝刈渓谷ルートから登ってきた方向の山なみを振り返ってみます。こちらもよい眺めです。
金持神社間近にあり、根雨の街からもアクセスのよい宝仏山。古くからの信仰の山とのことですが、名前もなんとなく縁起がよいかんじです。
新緑や紅葉の季節もきれいですので、一度登ってみられてはいかがでしょうか?
田中正之
鹿児島県生まれ、鳥取大学農学部卒。海外青年協力隊でパプアニューギニアに赴任。鳥取県日野町にて農業を営む(現在は育休中)。おむつなし育児、冷蔵庫・洗濯機なし生活、影絵楽団などにも。著書に1年の間、世界一周新婚旅行を敢行した体験を綴った「さまよえる田中」。
ブログ:さまよえない田中