[倉吉市]顔書き・絵付け体験ができる「はこた人形工房」子の厄除け、遊び相手なら“はーこさん”にお任せ!
倉吉市魚町にある「はこた人形工房」は、カフェ「夢倉(むそう)」の店内に併設されています。
それぞれ別の組織になるので、問い合わせなどの際には注意が必要です。
ここでは人形の顔書き・絵付け体験(注意! 人形そのものの制作体験ではありません!!)ができるほかに、平成26年から活動をされている『はこた人形保存会』の方々による制作物の販売も行っています。
体験の予約が入っていないときは『はこた人形保存会』の方々が人形を作っている様子を、目の前で見ることができますよ。
人形工房で体験をして、隣のカフェでランチなんて出来たら、きっと素敵な思い出になること間違いないと思います。
過去には芸能人も来店して、体験をされていったことがあるとか。江戸時代から伝わる鳥取の文化を体験しに、くしさぶろーが行ってきました。
はこた人形工房 アクセス
住所は、鳥取県倉吉市魚町2529
「はこた人形工房」は、室町時代に作られた城下町が元となった『白壁土蔵群』にあります。
鳥取県東部から車で来られる方は、山陰道・はわいICを降りて、国道179号線を走って倉吉市役所方面へ。
西部から車で来られる方は、国道9号線・倉吉ICを降りて、国道313号線を走って倉吉市役所方面へどうぞ。
倉吉駅からレンタルサイクルを借りて動くとなると、約30分かかるそうです。
コレ!といった駐車場は、残念ながら“ありません”とのことでした。
ですが「日本料理 飛鳥」と「夢倉」の間にある駐車場(白壁倶楽部と夢倉が、共同で借りている場所です)が、ちょうど開いていたら使ってOkとのことです。
こちらは車が10台くらい止められる駐車場ですが、奥には個人が借りているスペースもあるので注意です。
もし上記の駐車場が利用できなかったら、工房の近くにある「倉吉白壁土蔵 観光案内所」の前に無料駐車場があります。13台の車を収容できます。
もし上記の駐車場が利用できなかったら、倉吉市役所の無料駐車場を利用するのも手かもしれません。
こちらは60台を収容できる、第一駐車場です。
第一駐車場の奥には、第二駐車場があります。市役所の奥、倉吉博物館の裏手にある駐車場で、200台を収容できる面積を持っています。
料金
顔描き・絵付け体験は、税込みで1200円~。
当日に行っても体験は出来るそうですが、事前に予約をしてから行かれると確実でしょう。最大5名まで同時に可能で、所要時間は約30分。
電話番号はコチラ。●090-1185-9732
メールでの問い合わせはコチラになります。●hakotaningyou@gmail.com
次に、体験の内容です。
顔描きは「顔の部分以外が完成している人形」を使った制作体験です。こちらは“のっぺらぼう”状態の、はーこさん。
コレはコレで可愛いと思うのですが、いかがでしょうか。(僕個人の好みになります)
絵付けは「未着色の人形」をつかった制作体験です。
体験に使用できるのは“起き上がりこぼし”のみで、未着色状態はこちらです。
天狗や白狐のお面が販売されていたので、お面の絵付けも出来るのかと思いましたが、こちらは体験不可だそうです。
お祭りへ行くときに、浴衣などと合わせてみるとオシャレだと思います。(あくまで僕の好みになります)
顔描き……ではなく、絵付け体験
僕と、僕の嫁さんの二人で体験を始めていきます。
顔描きと、絵付けのどちらを選ぶかで迷いましたが、二人とも絵付け体験でお願いをしました。
日本絵具と筆を使って、真っ白な起き上がりこぼしに塗っていきます。
イメージに合う色を出すために、絵具を混ぜて色を作ります。
塗る作業に夢中になってしまったので、作業途中の写真はこれ一枚しかないのですが、この段階で僕が何を表現しようとしているか解った方は、よっぽどの鳥取マガジンマニアだと言えるのではないでしょうか。
というわけで、完成です。
正解は、鳥取マガジンのモグラさんでした!!
もう少し明るい茶色でも良かったような気がしますが、可愛いので満足です。嫁さんは色々と描きこんでいました。
見えている面には、僕がいます。
裏側にはサインを入れるのがルール(この人形は、はこた人形ではないですよと言う目印)で、僕は“鳥取マガジン”とサインをいれました。
体験をした人には、もれなく『はこた人形・缶バッチ』か、『ひなビタ・缶バッチ』のどちらか一つがもらえます。
最後になりますが、今回は行わなかった、はこた人形の製作工程を捕捉します。
木型に和紙を貼って、胡粉(=ごふん※1)を塗り固めて乾燥させ、着色を行っていく流れだそうです。
全部で12もの工程があり、はこた人形を一体完成させるのにかかる日数は『約10日』かかります。
手間暇かけて完成した、はこた人形はこちら。
とても優しそうな面持ちで、さぞかし奥ゆかしくて素敵な女性だったのではないかと想像が膨らんで行く気がします。
※1 貝殻が原料となる白色顔料で、岩絵の具の一種。ホタテ・牡蠣・ハマグリなどが主な原料で、日本人形や日本画のほかにも、歌舞伎役者が使用する。最近では、除光液を使わなくても落とせる無臭ネイルとして注目を浴びています。
はこた人形工房 はこた人形保存会は語る
※ここからはインタビュー形式で進めさせていただきます※
――こちらの工房を始められた、きっかけは何だったのでしょうか。
保存会代表氏:倉吉の町おこし事業の一環で「人形の販売や、顔描き体験もできる工房をやってみないか」とお声がけをしていただいたのが始まりだ、と師匠の三好明から伺っております。
平成10年に出来た『赤瓦一号館』で工房をやらせていただいておりましたが、現在はこちらで営業をしています。
はこた人形は代々三好家で作っていたものでして、師匠には後継者がいませんでした。そこで一般募集をされて、私たちが師匠に弟子入りをします。
この『はこた人形保存会』も、それから立ち上げたものでして、現在の活動は目下のところ“後継者”探しです。
はこた人形に興味のある方、是 非 と も よろしくお願いいたします!
――いきなり後継者問題に直面するとは思いませんでした……。では「やってみたい」という方はどのように問い合わせたらいいのでしょうか。
保存会代表氏:お店に電話をしていただければ大丈夫です。その後は一度工房へ来ていただいて、まず軽く体験をしていただきます。
それから“本気でやってみたい”というお気持ちが変わらなければ、倉吉市の市役所にある保存会の事務局へ話をしにいく流れになります。
過去にも希望者はおられましたが、皆さん辞めていかれました。ずっと同じ作業をするので、この仕事を続けていくにはとても根気が必要です。私たちも、正直飽きました(笑)。
あと悲しいですが、お金になる仕事でもありません。私たちも、旦那様の扶養の範囲内でやっています。
もし“やってみたい”と来ていただける方が女性なら、半分趣味という気持ちでやっていただけると気分が楽かもしれません。
男性で(もちろん女性でも)とてもやる気がある方だったなら、やり方では売り上げを伸ばすことも可能だと思います。
ウチはネット販売も、委託販売も一切していません。そういう知識がないのもありですが、事業展開をしたとしても今の作業速度では到底間に合わないので、こじんまりとやっている感じです。
* * * * *
――これからやってみたい事の思想がありましたら、是非ともお願いします。
保存会代表氏:ネット販売とかもそうですが、今具体的に考えている事は“どうやったら人形に興味を持ってもらうか”という部分です。
人形だけだと「怖いからいらない」となってしまう人もおられるので、可愛いグッズを作ってセットにすればどうだろうと考えています。
ハンカチとかマスキングテープとかと一緒になって人形も並んでいたら、私だったら「可愛いな」と思って目に留まると思うんです。
地元住民ですら人形のことを知らない、という時期がありました。
私たちが『はこた人形保存会』を始めてから、母子手帳に“はこた人形の栞”を無料でつける活動を始めてから、やっとお母さんたちの間から再び認知されるようになっていきました。
――子供の厄を払う人形でしたよね。
保存会代表氏:そうですそうです。
そういう由来や意味も忘れられてしまっているので、栞の流れで思いついたのが“出産祝いセット”です。
まだ、あったらいいなという企画中の段階ですが、ガーゼのハンカチ・おもちゃのガラガラ・ミニはこた人形でワンセットという物を作れたらいいなと思っています。
――僕はアニメやゲームが好きなのですが、ここに来るときも街中にある『ひなビタ』のパネルについつい目が留まってしまいました。はこた人形もそういう萌え路線を狙うというアプローチが出来たりするのでしょうか。
保存会代表氏:うーん、それは却下されると思います。
はこた人形にも厳しい決まりがあって、古い歴史を守らなければならないという指名のもとで私たちも活動しています。
そういう企画も面白そうですが、はこた人形とは全く別の物になると思います。
ただ『ひなビタ』ファンの方がたくさん倉吉に来ていただけているので、うちが応援している和泉一舞(いずみ いぶき)ちゃんの顔描き体験を用意したらどうだろう、と考えたことはありますよ。
うちの顔描き体験は“どんな顔を描くかはお客様の自由”にしていただいているので、みなさん非常に個性豊かな作品を仕上げて帰られてゆきますよ。
* * * * *
インタビューに答えたいただき、ありがとうございました!取材や、制作体験のお手間を取らせてしまい、誠に申し訳ございません。
まとめ
起源をたどると、備後国(今の広島県)から商売をしにきた商人が倉吉の女性に惚れてそのまま移住し、その女性をモデルにして作られたという人形=はこた人形でした。
誰の記憶からも忘れられるというのは、死と同意語ではないかと僕は考えます。師匠の教えを守って人形を作り続け、後世に伝えるべくコツコツと活動をしているお姿は、それが女性といえど“カッコいい”と感じずにはいられません。
伝統文化の魅力を再発見しに、倉吉を訪ねてみてはいかがでしょうか。
お店データ
住所 鳥取県倉吉市魚町2529
電話 090-1185-9732
e-mail hakotaningyou@gmail.com
営業日 毎週水曜日
時間 10:00~17:00
(上記情報は記事作成時点のものです)
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名前 くしさぶろー
結婚がきっかけで鳥取へ引っ越してきたIターン者。
食や妖怪が好き。バイクにも乗っています。
連絡先 kushi.third@gmail.com
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