【教えて先生】「ピロリ菌チェックと胃カメラで早期発見を！」検査医療法人元町病院消化器内科部長池淵雄一郎先生に聞く

胃がんを予防するためには、まず自分の胃の状態を知ることが大切です。

胃カメラ検査では、胃だけでなく食道や十二指腸も観察できるので、胃がんや胃潰瘍の早期発見につながります。また胃がんに大きく関係するピロリ菌の有無を確認することもできます。

ピロリ菌がいる場合は、胃がんの大きなリスク要因になります。そのため、自分がピロリ菌に感染しているかどうかを知ることが、胃がん予防の第一歩となります。

特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に検査を受けることが安心です。胃のもたれや不快感、食欲不振、体重減少、黒っぽい便などの症状が続くときは、早めの受診が大切です。

定期的に胃カメラ検査を受けることで、胃がんの早期発見・早期治療につながります。

検査は鼻からの方法や鎮静剤を使うことで、リラックスして受けられます。少し不安に感じる方も、無理なく安心して検査を受けられる環境があります。

今回は、2025年4月より「医療法人元町病院」で診察を行っている、消化器内科部長池淵雄一郎先生に胃がん検診の必要性についてお話を伺いました。穏やかでやさしく話してくださる姿が印象的な、とても素敵な先生です。

《これまでの記事》
特集【教えて先生】医療法人元町病院消化器内科部長池淵雄一郎先生に聞く

「知っておきたい大腸カメラ検査の最新事情 ①」

「知っておきたい大腸カメラ検査の最新事情 ②」

健診と胃がん予防について
まとめ
医療法人元町病院の胃カメラ検査
消化器内科部長池淵雄一郎先生紹介
医療法人元町病院

健診と胃がん予防について

――池淵先生、胃カメラ検査とは、どのような検査ですか？

池淵先生

胃カメラは、胃を中心に食道や十二指腸も含めて観察できる検査です。胃がんや胃潰瘍といった病気を見つけることができますし、ピロリ菌の有無も確認できます。

――ピロリ菌が胃がんに大きく関係があると聞きました。

池淵先生

ピロリ菌に感染していない人は、基本的に胃がんになるリスクは非常に低いとされています。

逆にピロリ菌がいる場合は、胃がんの大きなリスク要因になります。

そのため、自分がピロリ菌に感染しているかどうかを知ることが、胃がん予防の第一歩となります。

――胃カメラとバリウム検査はどう違うのでしょうか？

池淵先生

胃カメラは、口や鼻から細いカメラを入れて、胃の粘膜を直接観察します。小さな病変も見つけやすく、その場で組織をとって調べることもできます。
バリウム検査は、バリウムという造影剤を飲み、X線で胃の形や動きを見る検査です。手軽に受けられますが、小さな病変は見逃されることもあります。

――胃カメラは口からと鼻から、どちらも選べるのですか？

池淵先生

細い胃カメラは、鼻からでも口からでも受けられます。
鼻からの検査は喉の反射が少なく、苦痛が少ないのが特徴です。
口からの検査で「オエッ」となりやすい方も、鼻からなら楽に受けられることが多いため、当院では鼻からの検査をおすすめしています。

――胃カメラは「つらい」と聞いて不安です。痛みはありますか？

池淵先生

人によって感じ方は違いますが、経鼻のカメラなら検査中に会話もできます。

喉の反射が強い方は少し違和感が出ることもありますが、許容できる範囲内のことが多いです。

――鎮静剤や麻酔は使えますか？

池淵先生

はい。ご希望の方には鎮静剤（静脈麻酔）を使用して検査を行うことができます。
不安が強い方や、以前つらい思いをされた方も、眠っているような状態で楽に受けられます。
目が覚めたときには検査が終わっており、安心して受けていただけます。

――早期発見のために心がけることを教えてください。

池淵先生

・定期的に胃の検査を受けること
症状がなくても、40歳を過ぎたら定期的な胃がん検診を受けましょう。早期の胃がんは自覚症状がないことが多く、検査でしか見つかりません。
・ピロリ菌の検査と除菌
ピロリ菌は胃がんの大きな原因です。感染している場合は、除菌治療を受けることで将来の発がんリスクを減らせます。
・生活習慣に気をつける
塩分のとりすぎや喫煙は胃がんの危険を高めます。塩分を控え、野菜や果物を多くとり、禁煙を心がけましょう。
早期発見できれば、体への負担が少ない内視鏡治療で治せることも多いです。
「症状がないから大丈夫」と思わず、定期的な検査で胃を守りましょう。