フランス演劇界を牽引する劇作家 フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作品『La Mère 母』、『Le Fils 息子』が2024年5月にエースパック未来中心(鳥取県立倉吉未来中心) 大ホールで同時上演されます。
両作品に出演する岡本圭人さんにお話を伺いました。
今回鳥取県に来るのは2回目で「鳥取砂丘でラクダを見てきました!」と笑顔で教えてくださった岡本さん。鳥取県のみなさんに向けて、舞台の魅力と今回の作品に対する思いを語っていただきました。
公演情報
『La Mère 母』 2024年5月5日/『Le Fils 息子』 2024年5月6日 エースパック未来中心 大ホール
若村麻由美&岡本圭人&岡本健一が演じる家族の在り方、親と子の苦悩、孤独!全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で競演!
■『La Mère(ラ・メール) 母』
5月5日(日・祝)開場13:00 開演14:00
【出演】若村麻由美、岡本圭人、伊勢佳世、岡本健一
■『Le Fils(ル・フィス) 息子』
5月6日(月・休)開場13:00 開演14:00
【出演】岡本圭人、若村麻由美、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬、岡本健一
■会場:エースパック未来中心 大ホール(鳥取県倉吉市駄経寺町212-5)
世界13カ国で絶賛!フランス演劇界最高栄誉のモリエール賞受賞!ハリウッドで映画化された傑作『Le Fils 息子』。ブロードウェイでも上演された『La Mère 母』の日本初演。稀代の劇作家フロリアン・ゼレールによる家族3部作、2作品同時上演!
イベント詳細チケットなどは鳥取県文化振興財団HPをご覧ください。
3年ぶりの再演!背中を追い続けた父親との共演!
ーーまず、『Le Fils 息子』は初舞台を踏んだ作品で3年ぶりの上演ということになりますが、再演のお話を聞いた時、どのように感じましたか?
『Le Fils (ル・フィス)息子』は自分にとっても特別な舞台だったので嬉しかったですね。前回はコロナ禍ということもあり、地方でも鳥取県までは行くことはできなかったんです。
世界中でヒットしている作品ですが、日本に住む僕たちの心にも響く物語なので、鳥取という場所で舞台が公演できることを幸せに感じます。
ーー2021年から3年の月日を経て『Le Fils 息子』の二コラ役を演じるうえで心境の変化はありましたか?
父親の影響で舞台に憧れるようになったこともあり、父親に追いつきたいと背中を追いかけていました。初舞台となる3年前の『Le Fils 息子』で父親と共演したのですが、初演を終えて少し気が楽になったというか、これからは自分の道でやっていこうという気持ちになりました。
そこで共演していなかったら、どこまでもずっと憧れていただろうなと。今回は対等に役者として演技ができているなという感覚です。
ーー父親役を実のお父さんが演じられますが、実の親子で共演というのはなかなか無いことだと思います。日常の親子関係と、稽古中・上演中での親子関係に変化はありますか?
特に変化はないですね。日常がそのまま舞台に起こっていたら大変なことになっちゃうので(笑)
よく「父親からダメ出しやアドバイスをされるか」と聞かれるんですけど、同じ作品に出ている役者同士は、そういうことを言わないようにしているんです。そういうことは演出家がするものなので、役者達だけで「こういう演技をした方がいい」という会話はあまりしないですね。
というのも、演出家のラディスラス・ショラーが素晴らしい演出家でとても信頼しているので、この人の言う通りにできたら間違いないと思っています。
もちろん父親を俳優としてとても尊敬しているし、自分が舞台の世界に入ったきっかけでもある存在で大先輩です。ただ親子なのでタメ語でやらせてもらってます(笑)
同時上演ならではの面白さを感じてほしい
ーー『La Mère 母』の二コラと『Le Fils 息子』の二コラ、同じ役名ながら別人の二コラですよね。2つの設定を同時期に演じるということを聞いた時、率直にどう感じましたか?
役名が一緒で良かったなと思いました(笑)
同じ役名だけど、年齢も家族構成も、家族が抱えている問題も違うので、稽古が始まるまでは『La Mère 母』の上演中に『Le Fils 息子』のこと思い出してしまうんじゃないかと思っていたけど、いざ稽古が始まるとそんなこと考えられないくらい集中しています。
この作品は違う物語ではあるけど、鏡合わせになるような演出になっています。『Le Fils 息子』を観ることによって、『La Mère 母』の理解が深まるような効果を持ち合わせているので、同時上演ならではの面白さや、両作品を観ることでどんなことを感じるのか?というところはお客様の想像力にお任せしたいなと思います。
ーー2つ設定を同時期に演じるということで、意識していることや大切にしていることはありますか?
自分自身の時間を持つことですね。
稽古中や稽古場以外では、あまり台本を読まないようにしています。2人の人格・人物を身体に入れているので、自分自身がなくなってしまうと辛くなりそうで。
あと、セリフのこととか考え出したら眠れなくなっちゃうので早く寝ています。考え事をしながらご飯食べると美味しくないじゃないですか。だから「美味しい」って感じながらご飯を食べて、お風呂に浸かって、しっかり睡眠時間を取る。そのためにもしっかりとした役作りをしていかないといけないんです。自分がしてきた役作りを自分自身が信じる。信じることによって同時上演も乗り越えられるんじゃないかと思います。
舞台は一番好きな場所。初めて舞台を観る人に生の”エネルギー”を感じて欲しい
ーー鳥取は都会と比べると演劇公演が少ないのですが、誰もが共感できる家族の物語ということで、普段舞台を観ない人でも足を運びやすい作品なのではと思います。舞台を観たことがない人に向けてここに注目してほしいというポイントはありますか?
とりあえず、劇場に来ていただければ!初めての方にも凄いものを感じて持ち帰っていただける自信があります。
自分は父親の影響で子どもの頃から舞台に馴染みがあったけれども、同世代の方はなかなか舞台に足を運ばない人が多いですよね。舞台の敷居の高さは自分でもよく分かっているのですが、舞台は”生”ならではのライブ感や息遣いを感じられて、映画と違って見る視点を自分で選ぶこともできます。
今回の舞台は幕間がなく一幕物なので長すぎず、集中して観ることができる作品です。初めての方も自然と物語に入り込めるんじゃないかなと思います。
ーー岡本さんにとって舞台はどのような存在ですか?
お客様に物語を届けるために舞台に立っているのですけど、舞台というのは個人的には一番好きな場所。いつも時間があったら舞台を観に行きたいと思っています。
舞台は、現実を忘れるのとはちょっと違って、でも非現実的でもなくて。どちらかというと現実を知りにいくような学びの感覚でもあります。
舞台上にはすごいエネルギーが流れているので、舞台を観に行くとそのエネルギーを感じます。自分もこれくらい感情を出して人と向き合ってみたい、こんなに人を愛することってあるんだ、とか。舞台は、普段感じられない感情や世界を知る場所なのかなと思います。
ーー最後に鳥取県のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
「家族とはどういうものなのか、どう向き合えばいいのか」という誰もが共感できる家族・親子の物語です。できれば鳥取のみなさんにもひとりではもちろん、親子でも見に来ていただけたら嬉しいです。
自分が本当の父親と親子役を演じることで生まれる奇跡もあると思っているので、お客様の中でも親子で見に行くことで生まれる奇跡もあると思います。
親子共演は「自分がこれくらいできる」ということを父親にも、お客様にも観ていただける機会でもあるので、自分自身もすごく気合いが入っています。
深いテーマでもありますが、エンターテインメントとしてもとても面白い作品です。ぜひ、見に来てください!
公演情報
若村麻由美&岡本圭人&岡本健一が演じる家族の在り方、親と子の苦悩、孤独!
全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で競演!
■『La Mère(ラ・メール) 母』
5月5日(日・祝)開場13:00 開演14:00
【出演】若村麻由美、岡本圭人、伊勢佳世、岡本健一
■『Le Fils(ル・フィス) 息子』
5月6日(月・休)開場13:00 開演14:00
【出演】岡本圭人、若村麻由美、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬、岡本健一
■会場:エースパック未来中心 大ホール(鳥取県倉吉市駄経寺町212-5)
世界13カ国で絶賛!フランス演劇界最高栄誉のモリエール賞受賞!ハリウッドで映画化された傑作『Le Fils 息子』。日本初演、ブロードウェイでも上演された『La Mère 母』。稀代の劇作家フロリアン・ゼレールによる家族3部作、2作品同時上演!
イベント詳細チケットなどは鳥取県文化振興財団HPをご覧ください。