「できることを最大限」元オリンピック代表候補の職人廣瀬雄一さん

「できることを最大限」元オリンピック代表候補の職人 廣瀬雄一さん インタビュー


廣瀬さんは廣瀬染工場の4代目。江戸小紋の職人さんです。江戸小紋とは日本の着物の種類の一つです。

江戸小紋は一見無地に見えますが、近くで見ると細かい柄が見えるという着物です。江戸時代に派手な服がご法度だった武士・庶民の粋な心持ちが江戸小紋を発展させてきました。

江戸小紋職人廣瀬雄一さんに米子でお話を聞く機会がありましたので、鳥取マガジンに掲載します。

廣瀬雄一

10歳から始めたウインドサーフィンでシドニーオリンピックの強化選手として活躍。今度は染め物という日本の伝統文化を持って海外に挑戦したいという夢を持ち江戸小紋を世界に向け発信するビジョンをもった。

江戸小紋 廣瀬染工場

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ウィンドサーフィン日本代表候補から江戸小紋の職人へ

廣瀬さんはウィンドサーフィンのオリンピック日本代表候補に選ばれたほどの腕前です。その道を断ち、大学卒業とともに職人の世界に。職人になる前、精神的に荒れていた時期もあったそうです。

「学生の頃から職人の世界というのは甘くないっていうのを、なんとなく感じていました。そこは素直に(22歳の)今が最後だろうと思ってウィンドサーフィンを辞めました。ただ最後1年ぐらいは、やりたいことを手放さないといけないと思って、精神的に荒れていた時期もありました。」

「自分はウィンドサーフィンを続けたいけど、(職人になるには)今、ならなきゃいけないっていうことも分かっていて、葛藤はありましたね。」

おじいちゃんが喜ぶからお手伝い

そんな葛藤を抱えながらの職人スタートですが、意外にも職人になってからは、すんなりと職人の世界に入れたとのこと。

「小さいころから祖父や父、職人さんたちが働く工場を見てきました。祖父や祖母がいたのはすごく良かったですね。おじいちゃんが喜ぶから、少しお手伝いのまねごとをしてみたり。そういうのはすごく良かったかもしれないですね。」

「大学生の時はアルバイトとして、手伝いをしていました。日当1万円というにんじんをぶらさげられて(笑い)、今思うと(家業を継がせるための)向こうの作戦だったのかもしれません(笑い)。」

現在39歳の廣瀬さん。職人になって17年目。まだまだ修行中だと語ります。

「職人の仕事は3年ぐらいで形にはなりますが、一人前になるには10年以上かかるかもしれません。奥が深いので、今でも父にいろいろ聞くこともあります。経験がすごく大きいですね。17年やっていてもまだまだ浅いなあっていうのはあります。」

今できることを最大限やろう!

着物人口が頭打ちの中、ストールブランド「comment?(コモン)」を立ち上げられてストールや江戸小紋 シュシュ ヘアーゴムなどの商品を出されたり、テレビ・新聞などの取材を受けたり、様々なことに挑戦されているイメージがあります。

「自分の中に、『今できることを最大限やろう』という思いがあります。頭の中で考えて、結果を考えてやるっていうよりも『とりあえずやってみる』思いついてこれがいいと思っているものは、『どんどんチャレンジ』する。そんな思いでやっています。」

『身体を動かしながら考える。』それはオリンピック候補選手にもなったウィンドサーフィンに通じるものがあるのかもしれません。

「そういう意味では、自分の直観的なものはすごく信じるようにしています。人がどうこうとか、これが売れそうだというよりも、自分がかっこいいと思えるかどうか、自分が納得できることを大切にしています。」

100年前のジャポニズムが今起きている

現在訪日観光客の増加や東京オリンピック開催間近ということもあり、日本文化に注目が集まっています。

100年前に起きていたジャポニズムが現在の世界でも起きていると思っています。日本文化にとって追い風が吹いているだろうなって。これまでは日本内需の着物の時代がありましたが、今は世界中で日本文化がフィーチャーされています。日本の職人たちが日本文化を広めていくのは『今』なんだろうなっていうイメージがあります。」

「その中で江戸小紋は(外国の方にとって)分かりにくい。でもそれを分かりやすくするのではなくて、日本文化は分かりにくいけど、『こういうものなんだろうな』って、だんだん気が付いてくるものだと思っています。あえて外国の方に分かりやすくさせるのではなく、職人の技を伝えようと思っています。」



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江戸小紋は大きな可能性を持っている

今後の展望は?

「職人の世界にいるので、技を熟成させて、個人としてより高いレベルの作品作りをしていきたいですね。そして江戸小紋を日本にとどまらず、世界に向けて発信していきたいです。大きな可能性を江戸小紋はもっていると思っています。」

テレビなど、マスメディアでよくお見かけします。

「マスメディアに出ると、様々なことを言われることがあります。でもそこで下がっていてもなにも可能性が生まれないから(取材を受けるようにしています。)『少しでも業界に役に立つことになればいいな。』って思っていますが、逆に煙たがられて、、、(笑い)。でも応援してくださる方もたくさんいます。そこは自分を試されていると思うので、謙虚に自分を律したいと思っています。」

鳥取に日本一の着物が集まってきている。

東京から米子に来ていただいてありがとうございます。

「町を見て歩く時間がなかなかなくて、今回呼んでいただいたのは米子の『きもの永見さんのご縁です。2年目なんですが。とても信頼できる呉服屋さんです。

呉服屋さんにはそんなに出入りしないんですけど、『きもの永見』さんは日本一だと思います。着物も日本一のものが東京に集まっているわけじゃなくて、ここ鳥取県に集まってきているのがすごいなと思います。自分も一年かけてここに用意してきています。』

編集トマル後記

今、注目されている廣瀬雄一さんのお話を聞く機会があり、鳥取マガジンの記事にさせていただきました。廣瀬さんありがとうございました。

廣瀬さんは職人として技術を磨かれる一方で、新しいことも挑戦されています。その自分の気持ちを大切にして、今できることを最大限やろうとする様子に、僕自身もすごく刺激を受けました。自分軸を持つということが、大切なんだと、改めて思いました。

こだわるところはこだわって、柔軟に意見を取り入れるところは取り入れる。簡単なようでなかなかできません。廣瀬さんのような生き方・考え方はとても素敵です。

今できることを最大限やろう

とりあえずやってみる

どんどんチャレンジ

「できることを最大限」元オリンピック代表候補の職人廣瀬雄一さん
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