風博士こと杉山さんはミュージシャンで猟師です
「まのいいりょうしと風の歌」という催しに参加してきました。
まのいいりょうしと風の歌とは、風博士杉山さんが、”まのいい暮らし”を目指す中で得た経験を元に開催するトーク&ライブイベント。
トークでは、トークゲストを招いて、狩猟採集に関するあれこれや罠猟で得たイノシシやシカの肉を使ってつくる通称「まのいいカレー」を試食できる!というイベントです。
今回のトークゲストは 大下志穂さん(こっちの大山研究所所長)
今回の会場は、妻木ハウス でした。
こちらは空き家を改装してアーティストレジデンススペースにしたり、今回のような催しの会場にしたり利用しています。
住所は鳥取県西伯郡大山町妻木578-2
まのいいトーク
なぜ、猟師になったのか。それは東日本大震災がきっかけだったといいます。
今まで持っていた価値観が破綻して、もう一回考えなおすきっかけになったというのです。大きな資本や溢れる物に頼らない生活をしたいなと、思ったそうです。
そして、家族でいわゆる労働ではない、別の生き方をできないかと思ったときに、5歳くらいの頃大好きだった絵本がふっと浮かぶ。
この話は、やることやること収穫につながっていき、全てHappyになっていく話。ここから、自然と向き合っての生活に憧れが刷り込まれたのかもしれないということでした。
ところで、「まのいい」ってどんな意味?
広辞苑にも載っていない「まのいい」はこの絵本からヒントを得たもの。(使っていいと許可されたそうです)
「まのいい」は単なる快適な暮らし、という言葉ではおおいきれない、imaginationを湧き立たせる自分にとってのタイミングや余白や余裕であることや、ちょっとした負の要素も含めていることひっくるめてのニュアンス。
「ま」は「間」とすれば、時間・空間・呼吸・そのタイミング などなどの「ま」を意識的に取り入れていくことを試している。
そんな暮らし。
それが、杉山さん流 ”まのいい暮らし”
罠をしかける、罠猟をしていると、罠をしかけたら毎日見回りに行く必要がある。
イノシシがとれたんで今日は会社やすみまーす、というわけにはいきません。
ま が必要。
まのいいカレー試食会
しゃばしゃばーっと水分多めのカレーはスパイシーでありながら、辛みは少なく子どもたちも食べらるというカレー。
日本各地でこのトーク&ライブイベントを開催する時も基本は地元でとれた玉ねぎ、トマト、セロリ、にんにく、しょうがなどを鹿肉やイノシシ肉と煮込みます。
今回は鹿のモモとスネ部分。
柔らかくて、くせもなく、美味しい!また食べたい味でした。
風博士ライブ
あるとき、風博士杉山さんは持ち物をすべて処分して、旅にでた。
歌って稼いで全国をまわるということを3年間。そして、家族ができた。もうミュージシャンとしての活動は10年以上に及びます。
全てが、愛の歌。。
家族や自然、友達、周りの人や物への感謝と愛情を表現。
その歌い口は柔らかでギターの音が心地よく体に響くのでした。
ダンサブルな物もあり、また、熱い曲といって披露してくれたものは、何が熱いのかな?といいながら歌い始め、風博士自身が熱くなることがわかった、というコメント。
面白い。
私はこの熱い歌すきだったな。声の響きが体に、心に、届いた。
それから、この「風博士」という名前の由来も聞きましたよ。
風博士は明治時代の文豪坂口安吾のデビュー作から。言葉選びもユニークさが際立ちます。
”いただきます”は何のため
まのいい猟師のお話も終盤。
杉山さんは、一番伝えたいこと、これなんです、と話し始めました。スーパーのお肉ってどうして安く、いつでも手に入るのか考えたことはありますか?
わざわざ育てた、生後6ヶ月の豚を100キロに太らせて殺す。それも工場で流れ作業。ちなみに野生のいのししは1年で20㎏くらい。
なぜ、柔らかくて癖がないのかといえば、それは人間の研究の成果。
だから、解体する人、とさつする人、はもちろん関わる人への感謝、命をもらう事への感謝とごめんなさい、の気持ちをこめて言う「いただきます」なんだと。
狩猟採集はこどもたちへのギフトと語ります。
これからも全国へこの「いただきます」を伝えに風博士杉山さん、またの名をまのいい猟師は鹿肉やイノシシ肉のカレーと風の歌を届け続けます。
なんて、素敵な言葉!求めていた言葉と暮らし方!
”まのいい暮らし”
さあ、ご一緒に「まのいい暮らし」を目指しましょ!いい「ま」をたくさん!私は鳥取県で!
\風博士杉山プロフィール/
1975年4月11日生、千葉県浦安市出身。2002年頃、京都で風博士として音楽活動を開始し、主にカフェや本屋などでライブ活動を展開する。
2015年山口県にて狩猟免許を取得し、2017年4月に幼いころの夢であった「狩猟採集生活」を実現するべく鳥取県は東端にある岩美町に移住し、自然から糧を得ながら「まのいい暮らし」を目指すプロジェクト「まのいいりょうし」を立ち上げる。
今後のトーク&ライブイベントはコチラ→★
取材・文=つのださちこ
つのださちこ
東京の住宅会社やインテリアの会社で勤務した後米子に移り、現在はフリーで、インテリアや整理収納のコンサルタントとして活動中。子育てママとして奮闘中。女性目線、ママ目線での仕事ぶりは多くの方から評価を得る。