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米子市美術館で開催中「シンディー望月展」キュレーター原万希子さんインタビュー

「シンディー望月展」キュレーター原万希子さんインタビュー


開会式にて 向かって左 原万希子さん、中央 シンディー望月さん 右 角田です。

 

米子市美術館で「シンディー望月展」が3月11日(日)まで開催中

こんにちは。角田です。(ブログ:家族と一緒に「あそび」と「暮らし」と「部屋づくり」 15分で人を招けるキレイさ回復 ママ楽★収納術

 

2018年2月25日(日)~3月11日(日)米子市美術館で|石|紙|鋏|シンディー望月展が開催中です。

 

今回は、この展示の監修者=キュレーターである、原万希子さんにちょっぴり迫ります。原さんとは4年前に知り合い、作者であるシンディ望月さんをしのぐ?そのエネルギッシュな姿に、魅かれた私の気持ちから実現させてしまいました。

 

なぜ魅かれたのかというと、この作品以外でも原万希子さんはアーティストと米子に訪れており、その様子を垣間見て、魅かれてしまったのです。その時々でアーティストに寄り添い、調査では一緒に話を聞いたり、高い所が苦手なのに小型機に乗ったり、また、アーティストとのワークショップでは自分も相当芸術性のあるちょっとした作品をささーっと作ったりして、そして、いつだってフレンドリーな姿。

 

いったいキュレーターって仕事はどんなことをする人なのでしょう。。と「気になった」わけです。

 

萱島について情報収集をしているところ。向かって左がシンディー望月さん、右が原万希子さん

 

「シンディー望月展」は、今回の展示を主催したAIR475からキュレーターの原万希子さんへアートプロジェクトの依頼があったことに始まります。AIRとはArtist-in-residenceの略です。アーティストに一定期間滞在してもらい、その地域でしか作れないアートをつくりあげるプロジェクトです。

 

そして2014年に作者のシンディー望月さんとキュレーターの原万希子さんが米子を訪問し、中海を遊覧しました。その時、船頭さんが語った料亭の話にひどく引き付けられたシンディーさんは、それを核として「k」という主人公の視点を通して、1900年から2100年までの日本とカナダを舞台に不思議な物語をつくりあげました。

 

カナダや米子で様々な調査を行い、私たち米子市民や鳥取県民が知らない歴史や事実もでてきました。およそ3年に渡る調査と並行して、シンディーさんは2014年は紙を、2017年には石と鋏の作品をつくりました。

 

物語はどのようなことがヒントになって出来上がっていったのか、今回は作品の隣の部屋で知ることが出来ます。アーカイブルーム=記録の部屋です。通常はこのような背景は知る機会がありません。作品の理解が深まります。

 

こうした、AIR475とシンディー望月さんを繋ぎ、アーティストの希望する調査の実現に尽力したのがキュレーターである原万希子さんでした。

 

キュレーターっていう職業をご存じですか?

Wikipediaでは下記の説明でした。なんだかかっこいい。

 

現代美術の世界においては、キュレーターは展覧会の企画者としての業務が重要である。 ~中略~ 展覧会におけるキュレーターの仕事は、テーマを考え、参加アーティストやアート作品を選択し、しかるべき展示会場に好ましい効果を発揮するようにアート作品を設置し、カタログに文章を執筆することなどである。(Wikipedia)

 

シンディー望月展のキュレーター 原万希子さんにインタビュー

 

ーなぜ、この仕事を選んだのですか?

子どもの頃、当然、私がアーティストになるんだろうって両親が思っていたの。なぜかというと父は彫刻家で母は日本画家、こんなアーティスト一家なら当然な選択だろうって。

 

ーそれでアートを学んだ?

 

いえいえ、それに反抗して、英文学の学校へ進んだの。だけどそこが私学で学費の他に高額な寄付を求められて、もう辞めますって。

 

だけど、アートには興味があったから、Bゼミという美術の学校に通うことにしたわけ。そのころ、ジュエリーメーカーになろうという気持ちもあって、ジュエリーの学校にも行ってた。こっちは才能があったと思うよ。(と、指輪を見せてくれる)

 

ーでもジュエリーメーカーにはならなかった。どうして?

 

ある時、Bゼミで野外フェスがあって、展示をすることになったの。12人いて、そうするとね、私仕切っちゃうの

 

そこで、キュレーターっていう言葉もない時代だけど、あなたはこれして、あなたはこっちを任せるねと役割分担したり、企画したりするキュレーターの走りみたいなことをやっちゃったわけ。

 

ーきっかけはその野外フェス展示なんですね。

 

シンディーみたいにすっごい作りたいという欲も自分には無いかなって思って、それよりも仕切るようなことが自分には向いてるって気が付いたんだよね。それが20才のころ。

 

美術は好きだけど、美術館に収まるのはちょっと違う、と思ってた。なにかはみ出たことしたい!って思ってた。だけど、アーティストを呼ぶのも作品つくるのもお金がかかる。どうやって企画していくんだろう。テレビ局に直談判したこともあったけどね。

 

そうしているうちに、どうやってお金を集めて企画するかなどを教えてくれる学校がカナダにあることを知って行ったんだ。24才の時のこと。

 

その時、カナダでアーティストレジデンスを体験して、そこからカナダでの縁も広がっていったんだよね。

 

ー自分に向いていることへの気づきから、カナダでの縁を開拓し、キュレーターの道に入った原万希子さん。この仕事の一番気に入っているところは何ですか?

 

楽しいことが一番。今回の作品もそうだけど、委託制作、つまりコミッションで作品を作っていくとき、アーティストと人を繋いだり、アーティストって思いもよらないことを考えるでしょ、そのことをどう実現させていくか、誰とどんな風にしたらできるかっていうことを考えて、形にすることが醍醐味かな。

 

ーアーティストのやりたいことを形にする。クライアントの思いをくみ取り、時には寄り添い、時には引っ張っていき、ごちゃついた電源コードを整頓してつなぎ直していくように交通整理をして、新しい出会いにどんどん踏み込んでいく。原万希子さんは、好奇心と行動力の塊でキラキラされていました。

 

キュレーターになりたい!って方に一言お願いします

・好奇心を開いておこう

・人の話をよく聞こう

・気になることから離れないで

今回の作品は、作者シンディー望月さんが中海に浮かぶ萱島にあったとされる料亭「たつみ」をずっと気にしていて、そこに注力していき広がったもの。こういう”気になるなあ”ということを大切にしてほしい。

 

第六感を感じて、信じてということのようです。直感とでもいいましょうか。確かに忙しい忙しいと過ごしていると、おや?と思ってもスルーして、気持ちにふたして、気が付かなかったことにしているなんて、あるかもしれません。これからは、どんどん開いていこうと思いました。

 

期間中はシンディー望月さんのグッズも買えます

シンディーさんが中海の七珍を描いたぬりえやシールがありますよ。シールも塗り絵になりそうです。街歩きマップはわだやで常時入手可。

 

原万希子さんに会うには

原さんはカナダ在住です。カナダへ帰る前に会いたいという方、是非ご参加を。

 

パブリックプログラム:シンポジウム  詳しくはAIR475ホームページ

3月3日(土)「海を越えてカナダとつながる山陰地方の歴史と風土を巡って」

3月4日(日) 米子の記憶を語り聴く会「中海と弓ヶ浜半島の昔話」

 

シンディー望月展 交流パーティー:3月3日(土)19時

 

滞在中の様子はAIR475フェイスブックで配信中

 

|石|紙|鋏|シンディー望月展

2018年2月25日~3月11日 10:00~18:00 水曜休館 観覧料無料

 

米子市美術館

 

〒683-0822鳥取県米子市中町12番地

 

※また昭和初期から昭和10年代ごろの戦前の記憶をAIR475では集めています。写真や日記などの資料をお持ちの方是非ご連絡をお寄せください。→090-2409-7984(水田)

 

つのださちこ

東京の住宅会社やインテリアの会社で勤務した後米子に移り、現在はフリーで、インテリアや整理収納のコンサルタントとして活動中。子育てママとして奮闘中。女性目線、ママ目線での仕事ぶりは多くの方から評価を得る。

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