水木しげる初心者におすすめする。読んで欲しい10の作品。
こんにちは、鳥取マガジン(@tottorimagazine)です。
11月30日は水木しげる先生の命日でした。亡くなられて1年が経ちました。こんな記事がありました。
調布市は遺族と相談して、代表作の「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんで命日を「ゲゲゲ忌」と名付けた。
これからは水木先生の命日はゲゲゲ忌と呼べば良いんですね。ちなみに芥川龍之介は河童忌で夏の季語。正岡子規は獺祭忌(糸瓜忌)。新美南吉は貝殻忌といいます。この中にゲゲゲ忌。素敵ですね。
ゲゲゲ忌ということで、水木作品をいくつか読んでみました。あらためて読んでみると、やっぱりどれも面白いです。それは単純にエンターテイメントとしても面白いですし、哲学的に人生について深く考えさせられるところも面白いです。大事に読み返したくなります。
そこで水木しげるファンとして、読んで欲しいお勧めの10作品を紹介します。
完全版水木しげる伝(上) (講談社漫画文庫)
水木先生は数多くの有名な漫画作品を出されています。その中で個人的に1番おすすめしたいのが自伝です。事実は小説より奇なりとは良く言ったもので、水木先生の人生が壮絶で、考えていることが面白過ぎます。
自伝的な本は数多く出ていて、どれも面白いのだけど、取り扱い完全版水木しげる伝(上)(中)(下)の3冊を読んでおけば間違いなしです。
ほんまにオレはアホやろか
自伝でもう1つ挙げるならこれ、壮絶な人生なんだけども、ひょうひょうとユーモアを交えて書かれています。子どもの頃、学生時代、戦争体験、貸し本時代、漫画家時代のことが書かれていて、どのエピソードも面白い。
水木先生は大変な体験をされているんだけど、この本では辛い感じは一切なく、好きなことをやっていれば人生なんとかなる。力まず行こう。そんなふうに思える本です。
総員玉砕せよ! (講談社文庫)
戦争体験漫画。太平洋戦争で水木先生はラバウルに出征されています。実際に戦争を経験している人の体験は壮絶で、説得感があります。他の戦争のお話のように、偉そうだったり、悲惨に描かれている訳でないのがまた良いです。
戦争とはどこか遠い世界ではなく、少し前には日常になってしまっていたことが分かります。悲壮感はないんだけれど、書いてあることは凄まじい。この本は平和な日本人にとって必読の本です。
敗走記
もう1つ戦争漫画を挙げるならこれ。人間の命が粗末に扱われる戦争の悲惨な様子が分かります。漫画だから、気軽読めるのに、生きるとはなにか、死とはなにか。深く考えさせられます。
水木サンの幸福論
水木先生が亡くなられた時に、SNSを中心に先生の「7つの幸福論」が話題になりました。先生が幸福に生きるために実践している7か条で、「第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。」「第二条 しないではいられないことをし続けなさい。」「第六条 怠け者になりなさい。」などです。
この本にはその話題になった言葉について書かれています。今やりたいことをやり、目に見えないことを感じ、自分の力ではどうすることもできないことを諦める、おおらかな心。そんな心意気で生きれば、みんなもう少し楽に生きることができると、水木先生が語っています。
河童の三平
以前、友人から水木先生の有名漫画作品の中で1番好きなのはなにか?と聞かれたとき、悩んだあげく「河童の三平」を挙げました。水木作品の最高傑作の1つが河童の三平です。鬼太郎だって、悪魔くんだってあるけど、ここは河童の三平を薦めたいです。
水木作品に一貫して言えるのはアイロニー、シュール、それらをユーモアで包み込むところです。深く読めば哲学書となり、簡単に読めばスラスラと進むストーリー展開にハラハラドキドキします。難解なようで単純。単純なようで難解。読む人間、読む時によって感想が違う漫画。とりあえず一読を!
少年マガジン/オリジナル版 ゲゲゲの鬼太郎
えっ!?ゲゲゲの鬼太郎の漫画を読んだことない?それはいけません。是非読んでください。いろいろ出ていますが、こちらは初期の墓場の鬼太郎の作品から、テレビアニメされた後のゲゲゲの鬼太郎作品まで網羅されています。
とりあえず5巻まで買って読めば、鬼太郎が人気の理由が分かります。
のんのんばあとオレ
のんのんばあとオレ。僕が鳥取から上京して東京に住んでいたとき、この本を読んでホームシックになりました。のんのんばあが話す方言が懐かしくて、しげーさんへの愛が素敵で、涙なしでは読めませんでした
「目に見えなくてもなにかいる。」のんのんばあが話してくれる妖怪たちが生き生きと書かれています。暗いトイレやお風呂にはなにかいるに違いないんです。是非読んで目に見えないなにかを感じて欲しいです。
決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様
水木しげるといえば妖怪。その妖怪の図鑑がこちら。全部先生が描いているから、迫力満点。絵だけでなく妖怪の解説文もしっかりあり、これを読めば妖怪博士になれること間違いなし。
子どもにもお勧めです。
別冊 怪 追悼・水木しげる 世界妖怪協会 全仕事
最近の本ならこれ!これは水木先生の妖怪のお仕事と先生を愛する弟子たちのお話からなる本。
内容としては妖怪人類学フィールドワーク、水木しげる対談録、水木しげるサンお別れの会レポート、追悼寄稿 荒俣宏、小松和彦、京極夏彦。これまで紹介した本とは違った角度で先生の仕事ぶりが分かります。
これを読めば妖怪好きになってしまうそんな本です。
以上が水木しげる初心者に薦める10の作品です。10作品挙げましたが、基本的にはどの本も面白い!是非この機会に水木しげる作品を読んでみてください。
この上記の10の作品を読めば貴方も水木ファンになること間違いなしです!?